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ウイーン講習会の思い出②~レッスンとその後

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↑ウイーンの風景②ナッシュマルクトのアラビア菓子屋さん。

ウイーンに到着後、3日目よりレッスンが始まりました。

私が用意した曲は、バッハ パルティータ第2番
        メンデルスゾーン 厳格なる変奏曲
        ドビュッシー 映像第1集より2曲

レッスンをしてくださる先生はウイーン国立音楽大学ピアノ科の、
アレキサンダー・イエンナー先生。
とても厳しい先生だと早速噂話が・・・。
(確かに不満な演奏だと、感情が、顔に出ていらっしゃいました)

レッスンの参加者は日本人6人(内現地留学生3人)、
台湾人1名(中学生)、
ドイツ人1名、オーストリア人1名(小学生)の9名でした。

場所は、ベーゼンドルファー・ピアノ工房の2階の大きなレッスン室。
全て、公開レッスンというスタイルでした。
公開とは・・これが、3週間近く続くのかと、
本当に胃が痛くなりました。
予想外にきつかったです。

早速、初日に指名され、私はその日はドビュッシーを弾き、
先生はいろいろな弾き方のパターンを提示してくださいました。
通訳は、クラリネット専攻の現地の留学生に手配済みで安心でした。

何度かレッスンしていただく中で先生に、

「今は、日本の先生のことは忘れてください。あなたの音楽で表現しなさい」

その言葉を信じ、必死に演奏しました。

「出来るじゃないですか」

と言っていただき、うれしかったことを覚えています。

その当時クラッシック界では、
日本人の演奏は「指はよく動き、優等生的な演奏だけれど、
表現力に欠け、個性がない」
とヨーロッパの先生や批評家から言われている頃だったと思います。
結局私も、知らず知らずにテクニック中心になっていたように思います。

他の受講生の演奏も、本当に勉強になりました。
ベルリン芸大留学生など、台湾から来ていた天才中学生など、
日本人でも飛び級で大学を卒業した方など、
本当に優秀な方ばかりで、相当・・気後れしましたが、
それはそれで、有意義な時間だったと思います。

若かったからできたのかな??
今考えると、なんと恐ろしい・・・・・。

結局、自分の音楽に対しての考え方が、非常に甘かったこと、
もう一度、基礎を見直すこと、あげたらキリがないほど、
反省点がありました。

帰国後、オペラの活動を通して、
ドイツ人指揮者のフォルカ・レニッケ先生との出会いがありました。
オペラピアニストのオーディションにとりあえず合格し、
まずは研究生として、先生のレッスンを受けるチャンスに恵まれました。
月2回、3年間ほどレッスンに通いました。

またまた、イエンナー先生と同じことを言われました。
あなたのアイディアで、あなたの音楽をしてください。

とにかく自分の意思をしっかり持ち、
そして、信念と執念がなければ、
人を感動させる音楽をすることはできないのですね。
身をもって、反省、勉強不足を痛感しました。
(・・・・今もですが・・・)

2004年、倉敷市で行われた演奏会で、
先生の指揮のもと、オペラを弾きました。
演奏後、先生の方から笑顔で握手していただけたことが、
今の私の励みになっています。
by ahk123 | 2010-09-08 10:21 | 演奏活動 | Comments(0)

開講28年目のピアノ教室です。心のふれあいを大切にし、個々の特性に合わせ丁寧にレッスン致します。良質なテキストを使用し、楽しみながら継続&上達できるよう導きます。現在3歳から小中高~大学生まで在籍。レッスン場所 倉吉市伊木168-11(スーパーマルイ近く) お問い合わせ ☎️080-5237-8238


by ahk123
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