2014年 02月 05日
舘野泉さんと室井摩耶子さんのエッセイ

2人のピアニストのエッセイを読み終えました。一冊はお正月に書店で購入し、もう一冊はある知人の方の紹介でお借りして読ませていただきました。(わざわざ実家の方へ届けてくださいました。)どちらも昨年、発刊された新しいものです。
戦争という激動の時代を生き抜いてこられたお2人のピアニストの、自然で懐の広い人間性、生き方、考え方に大きな感銘を受けました。現代人の忘れかけた、ある感性をもう一度呼び起こしてくれるような、そんなエッセイだと思いました。
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○わがまま「我儘」-他人の目を気にしたり、流行やブームに流されることなく、「自分」というものをしっかりと持ち、自分の感情に素直に、やりたいと思ったことはやり通す。ただし「人の迷惑を顧みない行動」は含まない。とくに音楽家においては、この性格的要素が最高の美徳。
~室井摩耶子 著書より
○人と楽器があれば、音楽はできる。ピアニストによっては、コンサートで使うピアノの種類や、会場となるホールの環境に、とても神経質な人がいる。ピアニストだけでなく聴衆にも、使用した楽器がなんであったか、銘柄にこだわる人たちが多い。それはそれでひとつの生き方、見識ではあるが、僕はこれまで、会場の大きさとかどんなピアノが置いてあるかなどにこだわったことがない。
思いの根底には、戦後の日本の空気がある。(中略)音楽ができればいい。人と楽器さえあれば、音楽はできるんだという考えが、骨の髄まで身に染みている。
~舘野泉 著書より
by ahk123
| 2014-02-05 13:05
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